東急ハンズ2014年オリジナル年賀状デザインコンペで入賞した作品


東急ハンズの「2014年オリジナル年賀状デザインコンペ」で入賞したイラストです!
午年(うまどし)だったので馬をモチーフのベースとして、そこから発展させてイメージを膨らませました。

とにかく可愛く!
”繊細さ”を感じさせる作品を作りたい

今でこそ一部で「ガーリーイラストレーター」なんて言ったりしていますが(笑)、当時は自分のイラストのターゲットを女性に絞り始めた時期で、女性が見た時に「かわいい!」と言われるために必要なことはなんだろう?と色々考えていた時期でした。

僕が今でもずっと大好きなイラストレーターさんの1人に、「蛯原あきら」さんがいらっしゃいます。透き通るような水彩タッチ、線の抜きと塗りのバランスの調和、そして何より特徴的な「Girly」と言われる世界観に今でもものすごく惹かれます。
そんなタッチに魅了され、水彩✕Girlyでチャレンジしたのがこの作品です。

女性らしさ(ガーリー)って何?

マーケティング関連の『ネットで「女性」に売る』という本にもありますが、当時も色々と試行錯誤して調べる中で“現実よりも理想のイメージを魅せる”、というのがキーポイントかなという考えに至りました。現実的な世界観よりも、創造的な綺麗な世界のほうが見てて気持ちいいんじゃないかなと、いう感覚的なところではありますが、リアリティが必要な部分ではなかった、というのもポイントですね。

このレベル感がどこまで女性に伝わるか、どれだけ普段女性が見ているものを自分自身でも触れているか、これはものすごくアウトプットに表現力として出てきます。

色々考えた中で、まず「幻想的な空間が別世界にあったら…」ということを考えました。

別世界ということで現実とは少し離れた場所、例えば窓の外だったり、扉の向こう側など、まずは現実世界との境界の向こう側を表現しようと考えました。そこで今回、年賀はがきということを活かし、その境界線に「切手」を選定。切手の中に広がる幻想的なイメージを描いてみました。

白馬に加えて新年・お正月ということで「めでたさ」を意識し、紅いスーツとハット、そこに乗る女の子もハットと振袖姿にしてみました。さらに幻想的な雰囲気をより際だたせるため、背景はデジタル水彩で、雲や星を落書きのようなイメージで散りばめました。

また幻想的かつ手書きテイストを強調するため、あえて線は揺らし、不安定な印象になるようにしています。

コンペに入賞!しかし反省点は残る

と、いろいろと試行錯誤して自分なりに幻想的な雰囲気を作ってコンペに応募。なんとか無事入賞して、この年賀状イラストを全国の東急ハンズで販売して頂きました!

東急ハンズ銀座店の店頭にて

よりよい作品を作るための反省

今自分自身でこのイラストを振り返ると、先程あげた蛯原あきらさんの「線の抜きと塗りのバランス」がまだまだかなという想いです。

ここまできっちり色を指定せずに、現実と違った色を使って描いていったり、線をもっと消してしまって塗りだけでイメージを表現することで線がはっきりせず、輪郭がすこしボヤけて「夢」や「幻想」のイメージが表現できそうです。

この内容をきっかけに、ターゲットを女性としたイラストやデザインに力を入れていくようになるのですが、まだまだ高い壁がそこに待っていました…この辺のお話はまた別途書いていきたいと思います。

今だったらどんな風にこのイラストをアレンジするかというのもやっていきたいですね。