イラストレーターの常盤クニオです。
クリエイターにとっての作品集、いわゆるポートフォリオの存在は本当に大切ですよね。とはいえ、「ポートフォリオサイトを持ちたい!」と考えていても、正直Web制作ってよくわからない・・・という方も多いと思います。
ということで、普段Web制作もやっている立場から、今回はWebデザイナーの視点を持ったイラストレーターとして、このポートフォリオサイトの準備~制作まで、どのように進めたのかを簡単に書いてみたいと思います。
ちなみに今ご覧頂いているこのポートフォリオサイト、作るのに半年以上と、すごく時間がかかっています。で、正直まだまだ納得行く形にはなっていません。しかも2回作り直してます。
今回は、実際の私のサイト制作過程を通しながら、イラストレーターがポートフォリオやサイトを制作するにあたっての「考え方」についてのお話です。
Contents
そもそもポートフォリオって何をするためのもの?
そもそも「ポートフォリオ」って何をするもので、なぜ必要なのでしょう?
ポートフォリオの意味としては、「作品をまとめて、自分の実績などを紹介する作品集」、という認識が一般的だと思います。デザイナーやイラストレーターなど、創作を生業としている人にとって、仕事をする上で必須と言っても過言ではないものですよね。
ポートフォリオやポートフォリオサイトを作ることで「この人はこんな制作実績があるんだ」といった信用やクオリティの確認、「この作風はあの案件に合いそうだぞ」といった新たな相談のタネになったりします。
ただ、世の中のイラストレーターさん方の中には作品を紹介するだけではなく、営業に強いタイプのサイトを持ってらっしゃる方もいらっしゃいます。
うまい棒の「うまみちゃん」を描いているイラストレーターさん。
コンテンツ・実績が豊富でイメージしやすい!
アニメーションや動画制作も出来るイラストレーターさん。
記事の内容もわかりやすく、何より事例が豊富です!
PIXTAなどでも活躍されているイラストレーターさん。
ブログ記事の密度が濃く、依頼時のイメージがすごく湧きやすい!!PIXTA自体がサンプルイラスト集になっているところも素敵。
この他にも、多くのイラストレーターさんが様々な形でサイトを公開されています。(掲載をご快諾頂いたカッピーさん、さらえみさん、よぴんこさん、本当にありがとうございました!)
ご紹介したサイトはコンテンツ量も圧倒的ですが、共通しているのは「この人に頼めば、これくらいのクオリティで、これくらいの期間で成果物が出てくる」のがよくわかる、ということ。
イラストは形が無いものですから、発注側としても何を判断材料にすればよいのか困る。ですが、上記サイトのようなコンテンツであれば、そのモヤモヤは解消されそうですよね。
依頼者は何を求めているか?
では、イラストを頼む人が何を見るか?どんな情報が欲しいか?
1つは先ほどの皆さんのサイトでの「こういう成果物が、これくらいの期間で、このくらいのコストで出てくる」という部分が最初のカギだと考えています。
3つのポイントをイメージさせよう
成果物
当然実績の紹介が必要になりますが、駆け出しの方はこれからだと思いますので、実績がなくても大丈夫です。「実際に依頼されたらこんな感じでニーズを形にしますよ」と分かることが大事です。逆に実績を紹介していても、スタートからゴールまでのプロセスがイメージしづらいと、あまり意味がないかもしれません。
制作期間
各実績のメイキングや、クライアントさんとのやり取り、制作する際の考え方などを紹介。全体で具体的にどれくらいの時間がかかったか、工数に関して説明してあげると理解も深まると思います。
コストと納得感
上記の制作にかかった期間などをベースに、(掲載できるのであれば)料金表やなぜそのコストが掛かるのかの根拠をきちんと説明してあげると、依頼時のコストですれ違いも起きにくくなり、トラブルの防止にも繋がります。
※最後のコスト部分は料金表を見せること含めて賛否両論があると思いますので、見積りした際にきちんと説明ができればそれで良いと思います。
実際に作ってみよう
ということで、自分の実績を出すことも大事ですが、もっと根本的な部分、<イラストやデザインで困っている人の助けになるサイト>を作ることにしました。
その中で、「成果物・制作期間・コスト」の3つがわかるコンテンツを展開していきます。
自分のキャッチコピーもそのスタンスが伝わるものが良いな・・・ということで、
「ちょっとこまった!をおてつだい」です。
ちなみにデザインやイラストですごい困ってるという方ももちろんお手伝いします!笑
イラストやデザインは前述のとおり形が無いものですので、頼む上での精神的なハードルを下げる意味で、少しゆるめに「デザインやイラストのことならいつでもお手伝いします」というアプローチにしました。
ちなみにイラストやデザインで困っている人の助けになるサイトというテーマですが、これは発注者目線だけでなく、クリエイター目線でも助けになる、という両面を目指しています。
サイト制作で大切にしていること
コンセプトは決まりました!早速作っていきたいところですが、ただコンテンツや制作物を並べてもあまり意味がありません。
普段僕がサイト制作をしていく上で大切だなと思っているのは以下の点です。
見せたいものだけを、見せられているか
制作しているとどうしても「あれもこれも」と詰め込んでしまいがちです。
しかし要素を多くしてしまうと、本来訴求したいものが埋もれ、結果的に訴求力が落ちてしまいます。自分がサイトの訪問者に見せたいものは何なのか、絞って出すことが大切です。
また、過去の実績を出すにしても、その仕事を今後も注力していきたいかどうかも大切だと思います。あらゆる実績や情報が掲載されている必要はありません。
例えば、自分が全く興味のないジャンルのイラストのお仕事を受けたとして、それを実績紹介の最前面に出したとしましょう。一般的には最前面に出てくる事例を最もプッシュしていると思われてしまうものです。仕事の相談は来るかもしれませんが、興味のないジャンルの相談が来る可能性を高めてしまいます。
更新しやすいかどうか
更新しやすいかどうかは結局のところサイトそのものの「更新頻度」、言い換えれば「サイトの鮮度」に関わってきます。
サイトの鮮度を常に保っておくことで、イラストを依頼したい方から見て「活動している」ことが伝わりますよね。外から見たときに「活動していない」イラストレーターに仕事を依頼する人はいませんので、常に最新情報を掲載できるよう、簡単に更新できる環境を作っておきましょう!
デバイスごとに見やすいかどうか
パソコン以上に現在はスマホでサイトを見ることが多いと思います。久しくPCではWebサイトを見ていない、なんて方もいるのではないでしょうか。
サイトを制作する際はパソコンで作業することがほとんどだと思いますが、その感覚で制作を進めていくと、いざスマホで見たときに「あれ…?見づらくない…?」なんて事態になることも。制作途中でもスマホとパソコン、両方でしっかり確認しておきましょう!スマホとパソコン、さらにタブレットと、サイズに合わせた見せ方が出来ると、サイト訪問者も簡単に離脱しにくくなると思います。
独自ドメインの取得
独自ドメインとは
独自ドメインとは、このサイトで言うと
https://tokiwakunio.com の 「tokiwakunio.com」の部分です。
この部分をオリジナルとして取得するために月額料金はかかってしまいますが、独自ドメインを取得することで自分自身のブランディングに繋がります。
当然ですが、取得したドメインがURL(ネット上の住所)になりますので、ドメインは早い者勝ちです。もちろん無料でサイト制作が出来るツールやサービスを使ってもいいのですが…
Tumblrなどの無料サイトサービスや、サーバー会社と契約して自分のサイトを持つと、任意でURLが割り振られます。
【例】http://tokiwakunio.tumblr.com/
tokiwakunioは自分のID、tumblrはサービス名だとすぐ分かりますね。
ただ、これだと「無料サービス使ってサイト公開してる」感が強いですし、何よりきちんとお金をかけて作っているということも含めて、プロっぽく見せたい。このあたりは外から見たときに「どう思われたいか?」に繋がるかなと思います。
そこでドメイン名を取得するサービスを使って、このドメインをオリジナルのものに書き換えます。
試しに「ムームードメイン」などで自分が取得したいドメインを検索してみると、取得にかかる月額料金や、そもそも取得できるかどうかが分かります。
ちなみによく聞く「.com」なんかは人気もあって値段が少し高かったり、すでに使いたいアドレスを取られてしまっていることも多いです。その場合、代わりに「.net」や「.biz」など、少し形を変えてあげれば取得できるかもしれません。
ドメインには特別な意味があるものも存在します。
少し例を挙げると、
co.jp → 株式会社・有限会社など、登記を行っている会社のみ使用可
ac.jp → 大学や高校など、学校法人・教育機関のみ使用可
なので、僕がtokiwakunio.ac.jpというドメインを取得しようとしても、教育機関ではないので取得はできません。
ちなみにTumblr(タンブラー)は、個人的にはポートフォリオとして作品を見せるのに向いていると思いますので、作品をさくっと掲載したい方はこちらを使うのもオススメです!
独自ドメインはこんなところがオススメ!
僕は独自ドメインの取得を「お名前.com」でやっています。
独自ドメインのいいところは、同時に独自のメールアドレスも取得出来るところです。
例えば、今までプライベートでGmailを使用していたとします。当然ですが、プライベートのアドレスですから、あまり公にしたくはないものです。
そこで独自ドメイン。
「https://www.joshi-power.com」というドメインを取得と同時に、「info@joshi-power.com」というサイトと同じドメインのメールアドレスも取得できます。
さらにメール転送機能を使えば、サイトのメールアドレス「info@joshi-power.com」に来たメールをプライベートのアドレスへ転送も可能です!
普段確認するアドレスは今までどおり、プライベートのアドレス1つだけ。これなら見逃す心配も基本的にはありませんね。
ポートフォリオサイトのように、連絡先を公開しないといけない場合であれば、特にオススメです。
ちなみに、Tumblr(タンブラー)などの無料サイト制作サービスでも独自ドメイン設定が可能な場合があります。
なので、独自ドメインだけ取得しておいて、Tumblrのアドレスとメールアドレスをオリジナルのものに設定する、なんてことも可能です。
独自ドメインだけでも是非トライしてみてください!
次はWordpressの準備について
今回はポートフォリオサイトの考え方や、準備について簡単に書いてみました。次回はWordpressを使ってサイト制作をするための本格的な準備について書いていこうと思います!